「SPIは難しくないって聞くし、あえて対策する必要ないのでは」と考えている就活生もいるようです。ただ、多くの企業ではSPIを面接の前に課すテストと位置付けています。つまりSPIで一定の成績を残さないと次の選考フローに進めないのです。就職活動の最初の関門といわれる所以です。
総合適性検査いわゆるSPI(Synthetic Personality Inventory)とは、リクルートマネジメントソリューションズ社が提供している適性検査のことです。短い時間の面接だけではわからない、就活生の能力や適性をはかるために多くの企業の採用活動で用いられています。
SPIの実施形態は4種類あります。
SPIの実施形態 | シェア | 受検場所 | 受検方式 |
---|---|---|---|
テストセンター | 約65% | 専用会場 | パソコン |
Webテスティング | 約20% | 自宅など | |
インハウスCBT | 約1% | 企業の会議室など | |
ペーパーテスティング | 約15% | 企業が用意した会場 | マークシート方式 |
テストセンターのシェアがおよそ65%を占めます。第一志望の企業が決まっている場合はその企業の実施形態に絞って対策するのでもいいのですが、第一志望の企業が決まっていない場合や、複数の企業のSPIを受ける場合は、まずはシェア65%におよぶテストセンターの対策をするのが良いでしょう。
SPIの出題分野は、性格検査と能力検査の2分野から構成されます。その他にオプションでSPI英語(ENG)が課されることもあります。
性格を判断するテストです。企業の風土や業務内容にどの程度適しているのかを診断することが目的です。200問ほどの質問があり、その質問に対して「はい」か「いいえ」で答える形式となっています。以下のの4つの観点からの問題が出題されます。
虚偽の程度を示す尺度のこと。
能力検査は言語分野と非言語分野に大別されます。
英語を重視する企業では、オプションでSPI英語(ENG)が課されることもあります。
SPIの出題分野についてまとめると次の表のようになります。
SPIの出題分野 | MEMO | |
---|---|---|
性格検査 | 行動的側面 | |
意欲的側面 | ||
情緒的側面 | ||
ライスケール | 虚偽の程度を示す尺度 | |
能力検査 | 言語分野 | 言語分野の出題範囲 |
非言語分野 | 非言語分野の出題範囲 | |
SPI英語 | SPI英語の出題範囲 |
SPIは性格検査と能力検査の2分野から構成されます。SPIは適切に対策をすれば確実に効果が見込めます。性格検査と能力検査それぞれの対策について簡単に述べます。
「企業の風土に合わせた回答が望まれる」ということがまことしやかに言われています。しかし、ライスケール(嘘をついて回答していないか)という指標がある以上、正直に答えておくのが無難ではないでしょうか。回答内容に矛盾があったりすると、虚構性ありとの結果が出てしまいます。
能力検査は言語分野と非言語分野に大別されます。難問が出題されるわけではないのですが、とにかく問題数が多いため、ある程度のスピードで解くことが求められます。問題集で多くの問題を解き、出題形式に慣れておくことが重要です。パソコン操作にも慣れておくと良いでしょう。
また、SPIはその実施形態ごとに出題範囲が異なるのですが、その共通部分の問題をまず取り組むことが大事です。共通部分の問題に取り組み、その全体像を把握した上でそれぞれの実施形態の問題に取り組むのが良いでしょう。まずはシェア65%におよぶテストセンターの対策をするのが良いでしょう。
SPI対策を始める時期はいつごろがいいでしょうか。就活が本格化するころ、3年生の冬でいいのではないかと思うかもしれません。しかしそれでは遅すぎます。就活中は業界研究、企業研究、自己分析、エントリーシートの作成、面接の対策などやらなくてはいけない事がたくさんあるため、3年生の冬では間に合いません。できれば3年生の夏、遅くとも3年生の秋には始めたいところです。
SPI対策は、SPI対策本をみっちりやりこむのが効果的です。
SPIでは「この得点を取ったら合格」のような一般的な合格ラインはありません。4割解ければ合格という企業もあれば、9割程度の得点が求められる企業もあります。合格ラインが高いときに備えて、なるべく高得点を狙うようにしましょう。
SPI以外の適性試験には次のようなものがあります。
ただ、シェアとしてはSPIが多く占めていますので、SPI3対策に重点をおくほうが良いでしょう。強く志望する企業がSPI以外のテストを課している場合のみ、個別にそれらの対策をするといった戦術が良いでしょう。